地区大会でのうちの講評をまとめておく。
メモを取りながら聞いていたが、念のため携帯電話附属のICレコーダーにも録音していたので、そこからリライトしたものを整理してみた。
今回の審査員は2人。俳優の山本亘さん、舞台美術家の堀尾幸男さん。キャリアからみれば、この両名は舞台のプロである。朴訥とした語り口であったが、プロらしいコメントをいただけた。
・ 開幕のインパクトがあった。
・ 親父と息子の演技、手を使うのは古い。手を使いすぎ。手をなるべく使わない演技を考えてみると良い。
・ ゼポと、ザポ家族との違い。兵隊と一般人の違い。全く違う。体つきとか、すぐ殺されるんじゃないかという緊迫感。そういったものがないといけない。もっと緊張感があった方がいい。のんびりした家族と、緊迫した兵隊の違い。
・ メイクはあまり必要ない。そのままの素の顔で十分通用する。
・ 戦場へピクニックへ行くという、あの落差。もっと出る方がいい。家族はのんびりしている、こっち(兵隊)はピリピリしてるのに、それが一緒になって大団円するかと思うとズドンと殺されてしまう。そういう差が、もっと見えた方がいい。
・ 最後は、レコードだけ照明が当たって終わるといい。死んだというのは見ればわかるから、最後の衛生兵の場面は無くてもいい。
・ 戦場でシートを敷いてピクニックをするという脳天気さがよかった。
・ 戦争のとらえかたをもっと考えた方がいい。もっといろいろ調べて。煉瓦や鉄条網などで物理的に表現していたが、演劇の場合、何も物を使わないで戦争をいかに表現できるかである。物を出したら伝わらない。
・ ピクニックって何なのか。例えば、白い花を出したが、なぜ白なのかを意識したか?花だったら何でもいいというのではダメである。この花は何なのか、どういう花がいいのか、目立つのがいいのかどうなのか、よく考えた方がいい。演劇の基本は、やりたいことをやるである。でも、その次の段階として、どういう花だったら、自分たちのやりたいようにできるかと考えて悩みが始まる。悩みが始まると、物を作るという行為が生まれる。選ぶ、作る、創造する、これが演劇の基本勉強の第一歩である。深く悩めば悩むほど、プロになれる。勉強になる。
・ 戦争の色は何か。例えば、舞台一面に黒を敷いて戦場を表現する。そこに白いシートが敷かれてピクニックを作り上げる。それも創造であり、そこに創意工夫が生まれる。
・ 兵隊がスニーカーを履いていたが、あれはもっとごつい靴を探してきて、戦闘服を用意した方がいい。迷彩服とか、服にいっぱいくっつけているとか。父親は、上下麻のスーツで白い帽子を被って出てくるとか、母親はもっと派手に明るく着飾るとか、もっと場違いな感じがあってもよい。
・ ラストの照明。ホリゾントに紗幕越しに当てたのかと質問。ミスであることを伝えると、逆にあれがよかったと。結果オーライ、ですか!?
今回の審査員は、抽象的な舞台の見せ方の中に、リアリズムの演技を志向される傾向があったように感じた。その感覚の斬新さに、ほう…と感嘆した。
個々の役者の演技としては、「悩む」というのが欠けていたかもしれない。決してうちの部員たちが何も考えずに芝居をしていたというわけではない。ただ、もっと悩んで突き詰めることが可能だったんじゃないかということである。難しいところだが。
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